日本半周ひとり旅の総集編を記事にすると言ってから早一ヶ月。
6月から新たな仕事に取り組んでおり、頭の中が仕事の事でいっぱい状態だったのもありますが、
更新どころか全く記事を書く意欲すらありませんでした。笑
でもせっかく作ったブログだし、
沢山の方が今もアクセスしてくださってるので、定期的にブログは更新したいと思い立った訳であります。
そういう訳で、旅ブログの総集編は時間がかかるので一旦保留とし(書く気ねーだろ)
ブログを続ける事を第一に考えた時に、
「自分が面白いと思った事を書いていくのが一番だな」
と改めて感じたので、たまに好き勝手書いて更新していこうと思います。
今回は、名古屋の藤が丘という街にあるライブハウス「名古屋MUSIC FARM」で働き始めた時の話と、
そこで店長をやっている(今は社長かな)榊原雄一という男に出会った時の話を。
今から17年ほど前、
僕がまだ18〜19歳の頃、名古屋の藤が丘という街で一人暮らしをしていた僕は、
この時も2ヶ月ほど原付で日本一周ひとり旅に行って(どんだけ旅好きやねん)お金使い過ぎて超金欠で泣きながら帰ってきて、
「バイトしないとあと200円しかない」という状況の中、
小麦粉をこねて茹でた物体をすすりながら
近所のローソンで貰ってきたテイクフリーの求人情報誌を片っ端から家で見ていました。
そんな切羽詰り切った金銭状態のくせに、
「なんとなくこじんまりした雑貨屋で働きたい」という贅沢な理想を持っていたのですが、
そんな理想を叶えるかのように目に飛び込んできたのが、
藤が丘にある「めだまや」という雑貨屋さんでした。
そのめだまやの求人ページに写真が一枚だけ掲載されてたんですが、その写真に映る雑貨屋が
「あまりにも理想的なこじんまりさ」
だったので、即電話して面接に行く事になりました。
面接日、電話で聞いた面接場所に(夕方手前ぐらいだったかな?)向かったのですが、
教えて貰った住所に着くと、
僕は度肝を抜かれる事に・・・
そこには明らかに「悪そう」な外壁の建物が存在しており、
その外には多数の「ロリータ的ファッションに身を包まれた貴女達」と、
「ビジュアル系バンドマンらしきド派手な化粧と髪型をした人達」がワラワラと30人程集まっていたのです。
(いらすとや何でもあるな笑)
僕は中学時代にXJAPANを好きになって、その流れでDir en greyやLUNA SEAや色んなビジュアル系バンドを好きになってギターをコピーしてた時期もあったのですが、
実際にビジュアル系バンドのライブに行ったことも無ければ、ビジュアル系の容姿をした人に会った事も無かったので、
「ほんとにこんな人達がいるんだ」
と少し感動したのと同時に
「なんで雑貨屋の面接会場にこんな人達がいるんだ」
と疑問にも思いました。
まさか全員、面接うけるの・・・?
色々と思考が追いつかない状態の中、
ふと道路脇に座り込んでいるゴスロリータ的貴女達を見ると、
その座り込んでいる貴女達のすぐ後ろを、隣の中学校の運動部の子達が掛け声と共に外周を走っているという異様な光景が。
それがあまりにも不一致というか、組み合わせに違和感しか無く、
まるで「抹茶パスタなるものに生クリームやフルーツがかかった物」
の様な、本来共存してはいけない組み合わせの光景がそこには確かに存在していたのでした。
食べたら美味いらしいけど。
茫然と、ただ茫然とその理解し難い光景を眺めながら突っ立っていると、
一人のヴィジュアル系バンドマンがなぜか僕に近寄ってきて、
「お疲れ様です。名古屋どんな感じですか?」
と、いきなり意味不明な疑問文を投げかけてきた。
僕はとにかく驚いた。
疑問文の内容よりも、初対面かつただ道端に立ちすくんでいる一般人に声をかけてくる事に対してとにかく驚いた。
仮に僕が同じ様な派手な立ち振る舞い、もしくはライブハウス店員の様な格好をしていれば、
「関係者なのかな?」と思って声をかけてくる事はあってもおかしくないが、
言うても私は「面接に来ている」わけで、スーツこそ来ていないが(持ってなかったし)それなりに控えめな格好で来ており、
何よりも「屋外かつ、その集団から少し離れた場所」に居たにも関わらず、声をかけてきたのである。
そして何よりも、白塗り髪ツンツンのド派手な出で立ちで
「お疲れ様です。名古屋どんな感じですか?」
と「めっちゃ敬語」で話しかけてきたその人に、なぜか不思議な好印象を持っている自分がいた。
よく言う、「学生時代を真面目に生きてそのまま社会人になった人より、ヤンキーだったけど更生して社会人になった人の方がなんか良く見える的な感覚」に陥ったのかも知れない。
状況を把握する事を諦めた僕は、目の前で起こった事にただひたすら真摯に向き合う方向にシフトチェンジし、
その中で投げかけられた疑問文に対して絞りに絞り出した回答が、
「名古屋は良くないですね」
だった。笑
今になって思うと、そのバンドマンは
「名古屋のビジュアル系の盛り上がり具合はどんなもんでっか?」
という様な事を聞きたかったのだと思うが、
僕はそこがライブハウスだという事も知らなければ自身がまだバンドをやっていたわけでも無いので
当然名古屋のライブシーンの事など知る由も無く、単純に名古屋ってどんな街ですか?という意味で受け取ってしまったのも無理はない。
実際、当時の僕にとって名古屋という街は微妙だった。
と言うか、ぶっちゃけ嫌いだった。笑
それは名古屋に出てきてバイト先で出会った人や、名古屋の街の雰囲気(お店の接客や、交通マナー)も全て含めて、
基本的に全て嫌いだった。(勿論良い人もいたけど)
なんというか、
東京のような都会でも無く、
大阪のような個性も無く、
日本の真ん中にあるのだから舐められたらいかんという意識の元から来るのか
とにかく皆プライドが高い印象があり、
特に日本を原付で一周して帰ってきた僕にとっては、
各都道府県の接客対応や交通マナーなども見てきた上で、
「やっぱ名古屋が一番嫌いだわ」
と思える様な有り様でした。
車の運転ひとつ取っても、ウインカーを出さない車を見ては
「ウインカーを出す事がダサいと思ってるバカ事故れー」
ってずっと思ってましたし、
むしろ
「ウインカー出す前にブレーキ踏むバカ事故れー」
って思ってました。笑
それがプライドの高さなのかは知らんけど。笑
まあ18歳というまだピュアだった僕が実際に肌でそう感じていたのだから、そうなのでしょう。
名古屋批判をしながらも、僕は今年で愛知在住18年目を迎えたので、
その間とても良い人達とも出会えたし(これは本当に)
とても良い街なんだと思います(棒)
話を戻しまして、
そんな「名古屋良くない発言」をかました見ず知らぬの男に対して、そのヴィジュアル系バンドマンはとても優しく、
その後もしばらく気さくに話して下さったのです。
話している中で「ここしかない」と思って、
「実は僕、今日この辺にある雑貨屋さんの面接に来ただけなんです」
と本当の素性を明かすと、
そのバンドマンは優しく
「そうなんですね。その雑貨屋ならここですよ」
と、「悪そうな外壁のライブハウス」のすぐ隣にあるお店を指差して教えてくれた。
そこにはあの求人誌で見た「こじんまりした雑貨屋」が確かに存在しており、
僕は内心(あ〜良かった〜、あの悪そうな建物の中にあったらどうしようかと思った〜)
とほくそ笑んだのである。
早速その雑貨屋さんに入ると、
一人の女性店員らしき人が居たので
「本日面接に来ました中村と申します!」
とフレッシュさ全開で挨拶した。
するとその女性は、
「あーそうなんですね。じゃあ案内しますね」
とぶっきらぼうに返事したかと思うと、
何故か僕を店の外に連れ出しトコトコと歩き始めた。
僕は嫌な予感がした。
その女性が店の外に出て歩いていく方向が、
あの「悪そうな外観の建物」
に向かっていたのだから・・・
続く。
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